先日4/30の1500mレースでマークした4’08”73は、昨年のシーズンベスト9/17の4’13″61を約5秒更新し、2017年4月30日以来、ちょうど6年ぶりの4’10切り。40歳のシーズン初戦でとてもうまく走ることができた。
上を見ればキリが無い。同じ社会人ランナーでも比較にならないほど速く走る選手はたくさんいる。
ただ、40歳という節目の年齢で、20代~30代前半のときと比べてそう変わらない水準の記録で走れたことは自分にとって誇りの1つになった。
昨年のシーズンベストと同じレースを走っていたらその差は約30m。
環境も含めて自分はどんな感じで走ってるかとか、そのためにやってきたことを書いてみる。
仕事を含めた環境
縁があってフルリモートのWeb制作会社に勤めて3年目。通勤の必要が無くなったことに加えて仕事自体も落ち着いた状態が続いていて、練習時間は毎日ほぼ確実に確保できる。
また、嫁さんもランナーということもあって走ることへの理解は深く、自由にやらせてもらっている。
3年目なのでこれは去年も条件としては同じなんだけど、社会人ランナーとして時間的・環境的には恵まれた部類に入ると思っている。
あくまで「今はそう」というだけであって、始発と終電が普通みたいな状況に置かれていたこともあるし、カラダとかココロの一部を削って走っていた時期(なんなら自分でそれに酔っていた時期)もある。
けど、たまたま、本当にたまたま今そういう環境にあって感じるのは、
環境はとても大事だなということw
トレーニング場所
埼玉の県民健康福祉村、または綾瀬川のどちらか、のみ。
福祉村は1周1,830mのウレタン舗装走路があるので、強度の高い練習はほぼここで行う。
競技場で走るのはレースか、チーム墨田に誘われて墨田フィールド(1周300m)に行くぐらい。2月に行ったっきり、というぐらいの頻度。
なのでスパイクを履いて練習することは無い、と言っていいぐらい無いw
ついでに誰かと一緒に走ることもほとんどない。基本的に毎日1人で走る。でも社会人ランナーならこういう人はたくさんいると思う。
シューズ
ほとんどNike。機会を選べば安くて、見た目が他のメーカーよりも好きだから。普段履きにも使えるというのはとても重要。
まああとはヴェイパーフライのインパクトもすごかったよね。
- Nike ペガサス38・39
- Nike ズームフライ3・4
- Nike ヴェイパーフライFK
- Nike ヴェイパーフライN%
- Nike アルファフライN%
- Nike ドラゴンフライ(スパイク / レース用)
- Sketchers GO RUN Ride Flow
- Adidas タクミセン3
持ってるシューズはこれでほぼすべてなので、練習ではこのいずれかを履いている。
履き心地よりも見た目の好みを優先している割合は大きい。あと価格か。
タイプと方針
スピードに距離耐性の味付け
高校卒業まで100mがメインの短距離選手だった。せいぜい100mで12秒切ったぐらいだけど、中長距離ランナーとしては最大スピードはある方だとは思う。社会人になってから33歳ぐらいまでのときに
- 800m 1’58~2’03
- 1500m 4’07~4’13
- 5000m 15’50~16’15
- ハーフマラソン 71’~73′
- フルマラソン 2:35~2:43
という範囲で走っていた。
持っているスピードを殺さずいかに距離耐性の味付けをするか、みたいなところがテーマ。
800mがこわい
大学から30代前半までは800m(2分切り)にこだわってやってきたけど、35歳以降はラスト200mで踏ん張りが利かなくなってきたのを強く感じてレースエントリーからも遠ざかってしまった。
ラスト200mで枯渇してピヨピヨ走りで同組のランナーたちにことごとく置き去りにされる状況を何度も味わってしまい、軽いトラウマになっているような気がする。
かといって長いのは・・・
これから年齢を重ねていくにつれて長い距離が得意になっていくようなイメージを持っていたのだけど、ここ数年で全然そんな感触が無いw
年取ったらロング寄りになるんじゃなかったのか。なんなら年取ったら長いのがますますキツい。
ハーフマラソンやフルマラソンはもともと旅好きな嫁さんの影響で、旅行しつつ現地の大会に出る旅ランも兼ねてやっていた部分も大きかった。
残念なことに今は嫁さんが慢性的な故障を抱えてランをお休みしているため、長い距離へのモチベーションも湧きづらいのと、もともと距離耐性が無いからいざマラソンに出るとなると練習内容を距離に全振りせねばならず、中距離種目との両立が難しいとも感じていた。
マラソンが終わって3~4月あたりに中距離種目のためにスピードの速い練習を入れる移行期がとてもツラい。故障の頻度も多く、競技種目の幅が広いことが故障の一因になっているのでは・・・と考えるようにもなっていた。
※このブログのサブタイトルを変えなきゃならんかも、という葛藤はずっと抱えているw
ということで1500m
なんとなく練習のしがいがあったり、レースである程度の水準を保てていたり、トラウマ体験が無い1500mをメインに据えつつ、5000mまではそつなくこなせるランナーになりたい、と思っているのが今。何故5000mかというとチームや誘われたりする駅伝の機会が年に何度かあって、だいたい走る距離が5km以内だから。
トレーニング方針
突貫工事をしない
20代後半から35歳ぐらいまで、1ヶ月以上離脱してしまうような故障を1年のうちで必ず1回はやっていたと思う。パフォーマンスが落ちてしまう大きな原因だとは思っていたけど、練習時間が取れなかったりして「パフォーマンスが落ちるのが怖い」と思うばかりに高強度のトレーニングを短期間に詰め込むような、いわゆる突貫工事をしてまた故障する…という本末転倒なことになっていた。
時間をかけていい。焦るのをやめる。突貫工事による短期的なパフォーマンスアップに釣られない。
まずはこれを意識する。
昨シーズンを踏まえての組み立て
9月に1500m4’13”61、からの12月アタマの駅伝が5km換算で16’15~20ぐらいということでVDOT換算するとどーみても5000mが遅い。(※1500m 4’13 → 5000m 15’53)
1500mレースで2’50/kmのペースを刻む一方で、練習では3’20/kmのペースは2000mぐらいがやっとだったりする。距離が伸びると滅びてしまうw
30代前半まで5000mが15分台で走れていたことを考えても、明らかに苦手意識が強くなっていた。
1500mは中距離と言いつつも有酸素運動の割合が80%と言われているので、5000m寄りのトレーニングをして弱点を補強することがタイムにも活きるのでは・・・という魂胆で、
- 高強度練習は1200m~2000mを中心に5000m寄りに組み立てる
- 200mダッシュも割合的に少ないながらも入れる
- 300m~400mのレースペース付近も入れる
- 月間300km前後の距離を維持して量をキープする(回復力を高める)
- 無理しない
- 無理しない
- 無理しない
この無理しないというのが大事だと思っていて、気負って速いペースでやって予定がこなせないのは、翌日以降に疲労を残すだけでなく精神的な負担もあるのでモチベーションに影響する。ハードルは低く低く。疲れたら休む(疲れを予見して休みを入れる)。
特に高強度のトレーニングはココロもカラダも極力フレッシュな状況で臨む必要があると考え、疲れを感じているときや、やる気がでないときは、やらない。
もはや俺にとってランニングは生涯スポーツなので、「このときまでに結果を出さなければならない」ということは無い。
トレーニングサイクルと内容
8日サイクルと週1~2休養
- 高負荷
- jog or Rest(ケトルベルトレーニング)
- jog
- jog
- 高負荷
- jog or Rest
- jog
- jog
だいたい毎日同じ時間、同じ場所で練習できる環境にあるので、曜日に影響されることも無い。トレーニング内容は8日サイクルに落ち着きつつある。週1回は必ず休養を取って、状況に応じて週2回休んでも別にOK。
最初は「7日サイクルで週2回高負荷」を試していたけど、高負荷練習のリカバリーが中2日だと回復が間に合わないと感じたので8日サイクルになったのが大きな理由。
高負荷練習
- 2000m×3 6’45~6’55 / r450m 3’30
- 1200m×4 3’45~4’00 / r650m 3’30
- 200m×3~4 27″~28″ / r200m walk 3′
- 400m×8~10 70″前後 / r200m 90″
- 300m×5~7 46″~48″ / r300m 2’30
※5/6追記「負荷と強度は異なる概念で、2000mはペース的に高強度ではない」とツッコミをいただいたので修正しましたw 負荷 = 強度(質) × 時間(量)!!
このバリエーションに集約される。本数や強度を日によって変える。1・2は8日サイクルの中で必ず1回は入れて、3・4・5はサイクルの残り1回にバランスよく配分する。必ずそう、というわけではないけど考え方としてはだいたいそんな感じ。
3000m×n、6000mPR、12000mPRとかはほぼやらなかった(ニガテ・キライw)
jog
15km 4’20~5’00/km が基本。疲れがあったら遅くしたり、距離を減らしたり。
冬場に余裕があるときは18kmぐらいまでは伸ばしたこともあった。
景色を楽しむ。リズムよくフォームよく走る。ロードも不整地も走る。
回復力を上げることが目的なので、jogで疲れてはいけない。(と思ったまでは良いが実際は疲れていることも多かったw)
ケトルベルトレーニング
ジモティーで譲ってもらった16kgのケトルベルで筋トレ。週1回は必ず入れる。
2021年の5月に入手してから約2年、ほぼ欠かさずにやっている。
種目は以下。
- ブルガリアンスクワット 左右15回×3
- ケトルベルスイング 20回×3
ハムの付け根を長く故障していた時期があり、ブルガリアンスクワットで股関節まわりにも効かせることで改善予防できないかなーと思った。今は痛みは全く無いけれど、ハムの付け根を故障していたのはフルマラソンにも取り組んでいた時期だったので、実際の効果のほどは正直わからないところではある。
ケトルベルスイングは、スプリントやる人がクリーンとかの動画をけっこう上げてるのを見て、動作的には似たものがあるんじゃないかと思ったのが理由。
家が広いわけではないので、あまり大きな器具は置いておけない。そういう意味でもケトルベルはピッタリであった。
ケア
基本的にマッサージガンとストレッチポールのセルフケアのみ。2022年10月に軽い肉離れになって、そのときだけ鍼を打ってもらったぐらい。(でも結局そのあと帯状疱疹になってトラックシーズン強制終了w)
良いか悪いかというのは正直わからないけど、あれから大きな故障は無いので正しいのだろうとは思っている。
治療院に課金していたらもっとパフォーマンスが出た・・・かどうかはわからない。一応この先もセルフケアのみでやっていくつもり。
当日のコンディション
これは運。
天気予報は数日前まで最悪(大雨・暴風)だったけど、直前にだんだんと雨風が弱まるような予報に変わっていったので、気持ちもなんとなくポジティブな方向に持っていけた。
実際の現地は21℃、曇り、ほぼ無風。最高。
そしてレースペース。結果は6着だったけど、自分の前の4人のうち少なくとも1人は3分台のPBを持っていたようで、ただ後をついていくだけで理想のペース配分になっていた。
ラップは 67″6 – 67″7 – 66″6 – 46″9 で、2周目も67”7で落とさずに来れた上にキツさもあまり感じなかった。あとはラスト1周で残った力をブン回せばまあまあの結果になるだろうという確信が持てた。(それでも4’10が切れるとは思ってなかったけど)
まとめ
- [努力+運] 良い環境で
- [制御可] 故障なく
- [制御可] 気負わず
- [制御可] 弱点を補強し
- [運] 当日の天気も良く
- [運] 速い選手がうまく引っ張ってくれた
これにより今回の記録が達成できた。
運の要素もけっこう(かなり)あるw
だが記録は色々な条件が揃ったからこそ出たのである。
なお現時点でも5000mが15分台で走れる感覚は全く無い/(^o^)\ので、今シーズンは引き続き弱点補強を中心にトレーニング内容を組み立てていきたい。
ただ、気温が上がると難しくなるのでそこもどうするか、試行錯誤していきたい。
故障なく、気負わず。これも変わらず。
あとは環境を維持できるように仕事がんばるw
こっちにもコメント残していこうw
5000mって結局のところ重要な練習がペース走な気がしますね。
自分もずっと苦手で取り組みを避けてきたメニューだったのですが、
とりあえずやってみよう、で週に数回取り入れ出したところ、
当時16分台→15分20秒台ぐらいで走れて「ファッ?」ってなったのを覚えてますw
ペース走の後にダッシュとか入れておくとスピード感覚が残るので、
身体と相談しながら取り入れてみるのもいいかもしれません。
800m型の1500m選手って意外と短い距離とかのペース走とか、
いきなりスイスイ走れる選手が多いので、侮れないですよね〜